遠心分離応用機器の総合メーカー『日本スリーエム』。こちらでは、高効率サイクロン『SGセパレーター』の分離理論をご紹介します。


分離理論

SGセパレーターの流動分離

SGセパレーターは、従来のサイクロン分離の理論に補足すべき新しい理論を織り込んで完成した、高効率・高性能サイクロンです。

リサイクルガスの発生
遠心力が発生した際に生じる本体内部の差圧によってガスを流動させてリサイクルガスとします。
(1)リサイクルガスの効果
一定量のガスをリサイクルすることで外筒内面の面圧が低下して遠心力に対する抗力が微弱になり二次気流層が減退。微細粉体までが容易に内壁に到達します。リサイクルガスは、共に捕集管に微量混入した微細粉体の降下をも助けます。
(2)圧力バランス管
本体内部の圧力差によって流動させるリサイクルガス量を制御する管。口径を絞る事によって流量を制御して、目的とする一定量のガスと共に微量の微細粉体をも流します。

器内の流動 

理論構想図

理論構想図の通り、円筒内での遠心力に対して内壁から抗力が生じて、この相反する力によって面が形成されます。
従来のサイクロンでは、約10μ以下の微細粉体は二次気流層に阻まれて内壁に到達できずに境界面で跳ね返されて排気に混入して排出されていました。
微細粉体を捕集可能にするには“二次気流層”を形成させず、また、一部抗力0ポイントを形成する必要があります。
当該円筒の周壁に適当な開口部を設けると、理論構想図に示すように二次気流層は減退して内壁に近づき、開口部では抗力が0になります。

これによって、10μ以下の微細粉体も自己の運動エネルギーで円筒の内壁に到達し、捕集可能になります。標準サイクロンでは流入速度を速くして遠心力を大きくすると、それにつれて二次気流層も強く働いて入口流速にも限界があります。
このように、標準サイクロンの捕集限界は、D50=15μ程度です(ただし、物性によって異なります)。
これに比べ、SGセパレーターは前述の如く、実績では1μの微細粉体も90%捕集することが可能。この場合、部分捕集効率曲線の理論捕集効率は、物性の異なった物を含めて捕集効率を下げて表現しております。
対象物の物性によって捕集効率が異なりますので、さらに詳細な内容説明をご希望の方は、担当技術者にご相談ください。

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